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わずか1勝馬が菊花賞で戴冠か。
上昇エタリオウ、王になるため大変身

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 登録メンバー唯一のキャリア1勝馬。それでいて、牡馬クラシック三冠の最終戦となるGI菊花賞(10月21日/京都・芝3000m)での戴冠を期待させる馬がいる。

 エタリオウ(牡3歳)だ。

菊花賞に挑むエタリオウ。自慢の末脚で栄冠をつかむことができるか菊花賞に挑むエタリオウ。自慢の末脚で栄冠をつかむことができるか 昨年9月にデビューした同馬は、これまで8戦して1勝しか挙げていない。だが、2着が5回もある。

 2戦目の未勝利戦を勝ったあと、500万下のレースで3戦連続2着。さらに、ダービートライアルとなるGII青葉賞(4月28日/東京・芝2400m)でも2着と、クラスに関係なく、安定した走りを見せてきた。

 そして、大一番となるGI日本ダービー(5月27日/東京・芝2400m)では、13番人気の低評価に反発するように4着と好走。出遅れて後方からの競馬を余儀なくされるも、上がり33秒5の末脚で猛然と追い込んできた。

 その後、夏を休養に充てると、皐月賞馬エポカドーロ、ダービー馬ワグネリアンが顔をそろえたGII神戸新聞杯(9月23日/阪神・芝2400m)に出走。ここでもメンバー最速かつ唯一の上がり33秒台をマークし、勝ったワグネリアンに半馬身差まで迫る豪脚を披露して2着となった。

 どんな相手と戦っても必ず上位に来る反面、500万下をなかなか勝ち切れなかったエタリオウ。ちょっと風変わりな同馬が、はたして菊花賞で勝ち名乗りを上げることができるのだろうか。

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