スプリンターズSは、千直育ちの
「お姫様」が実績馬を蹴散らしていく (3ページ目)
ここまでに挙げた3頭に比べると、実績では劣るものの、今春の高松宮記念で僅差の3着と奮闘。前哨戦のキーンランドCを制して、勢いのあるナックビーナス(牝5歳)も、鞍上込みで有力な1頭と言えます。
その鞍上というのが、ジョアン・モレイラ騎手。キーンランドCで初めて手綱を取って、それまで惜敗の多かったナックビーナスを圧勝させました。まさに「マジックマン」の異名どおりです。
以前にも触れたことがありますが、おそらくモレイラ騎手は、馬が走る気になる"スイッチ"の入れ方を知っているのだと思います。馬それぞれの個性によって、いろいろなスイッチの入れ方があると思いますが、その引き出しが多いのでしょう。
このナックビーナスも、それまでは惜しいレースが多かったのですが、前走ではそのスイッチが入ったような、今までの惜敗が嘘のような圧勝ぶりでした。こうなってくれば、春の惜敗の雪辱を果たしてもおかしくありません。
唯一の懸念は、持ち時計がやや劣っていることでしょうか。ものすごく速い決着になった場合は、時計の裏付けがない分、多少の不安があります。ただ、台風の影響で超高速馬場にはなりそうもありませんし、心配は小さくなったと言えそうです。
実力と実績のある好メンバーが上位陣にそろいましたが、今回がGI初挑戦となるダイメイプリンセス(牝5歳)を「ヒモ穴馬」として取り上げたいと思います。「千直」を経験してから、一段と成長したダイメイプリンセス 昨年の春には、まだ500万条件さえ勝てずにいた存在ですが、その年の夏を境にして、500万条件、1000万条件と連勝。準オープンでも昇級初戦でいきなり2着と、すっかり力をつけていました。
ただ、その後はまた足踏み。「この辺りまでかな......」と思わせるところもあったのですが、"千直(新潟・芝1000m)"を使って、また馬が変わりましたね。
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