ミッキークイーンを超えろ。
妹オーロトラジェは牝馬三冠を目指す

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2018年版)
第16回:オーロトラジェ

 2015年の牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)における"主役"は、ミッキークイーン(牝/父ディープインパクト)だった。

 2戦目に初白星を挙げた同馬は、続くGIIIクイーンC(東京・芝1600m)に参戦。初の関東圏への長距離輸送ということもあって、レース当日の馬体重は20kgも減っていた。それでも、後方からレースを進めて、最後は上がり33秒8という末脚を繰り出して2着。素質の高さを示した。

 その後、一冠目となる桜花賞(阪神・芝1600m)は、3分の2の抽選で除外されて出走は叶わなかったが、同日のオープン特別・忘れな草賞(阪神・芝2000m)を快勝。二冠目のGIオークス(東京・芝2400m)へ駒を進めた。

 クイーンCのときと違って、オークスでは長距離輸送を克服してプラス4kgの馬体重でレースに臨むと、中団待機から直線を迎えて馬群の中からスッと大外を抜け出してきた。そして、直線半ばからは1番人気ルージュバック、桜花賞2着のクルミナルと壮絶な叩き合いを展開。クルミナルをかわし、直後にルージュバックを振り切ると、ゴール板をトップで通過して3歳牝馬の頂点に立った。

 さらに、秋には始動戦となるGIIローズS(阪神・芝1800m)で2着に終わるも、三冠最終戦のGI秋華賞(京都・芝2000m)ではレースレコードをマークしての完勝劇を披露。直線半ばを迎えて鋭く抜け出し先頭に立つと、クイーンズリングの強襲も難なく退けて二冠を達成した。

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