ヴィクトリアマイルは、クロフネとハーツクライ産駒でほぼ間違いなし (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki  photo by Yamane Eiichi /AFLO

 今年、クロフネ産駒はアエロリット(牝4歳/菊沢隆徳厩舎)が出走。今回と同コースで行なわれた昨年のGI NHKマイルCでは歴代3位となる1分32秒2の好タイムで勝利しており、今年はGII中山記念(2月25日/中山・芝1800m)でクビ差の2着を経ての参戦となる。前走はプラス18kgの504kgと過去最大の馬体重での出走で、上積みは大きそうだ。クロフネ産駒はホエールキャプチャが2012年に4番人気1着、2013年に12番人気2着、ブラボーデイジーが2009年に11番人気2着と、人気薄でも馬券に絡んでいる。

 ハーツクライ産駒はリスグラシュー(牝4歳/矢作芳人厩舎)、メイズオブオナー(牝4歳/藤原英昭厩舎)の2頭が登録。リスグラシューは東京芝1600m戦では2016年GIIIアルテミスS、2018年GIII東京新聞杯といずれも重賞で2戦2勝と抜群の成績を残している。他の競馬場も含めた芝1600m戦でも7戦2勝、2着3回、3着2回と崩れておらず、東京芝1600mは最も得意な条件と言ってもいいだろう。

 メイズオブオナーは重賞勝ちのない格下の存在だが、いとこにGIドバイターフ勝ち馬のリアルスティールがいて、3代母は米GI BCマイルを連覇した世界的名牝ミエスクという良血。管理する藤原英昭厩舎はGI皐月賞のエポカドーロ、NHKマイルC2着のギベオンなどの活躍もあり、今年はこれまで連対率50%を超える驚異的な成績で調教師リーディングのトップに立っている。軽視はできない存在だ。

 キングカメハメハ産駒はレッツゴードンキ(牝6歳/梅田智之厩舎)が出走予定。同産駒は東京・芝1600mの重賞は3勝も、勝率4.7%、連対率10.9%は決して高くない。ヴィクトリアマイルだけ見ると、2011年にアパパネが2番人気1着、レディアルバローザが3番人気3着、2015年にはケイアイエレガントが12番人気2着と、3度馬券に絡んでいる。ただ、レッツゴードンキ自身はこのレースで過去2年、8番人気10着、3番人気11着と大敗。最近は芝1200~1400mを中心に走っていて、前走もGI高松宮記念(3月25日/中京・芝1200m)で2着だった。1200mのレースのスピードに慣れてしまうと、1600mでも好成績を残すというのは簡単なことではなく、気分よく走れないと厳しそうだ。

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