フローラSから「オークスでアッと言わせる馬」はいるか、いないか (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki   photo by Nikkansports

 血統は全姉サロニカが昨年のOPエルフィンS(京都・芝1600m)勝ち馬で、母サロミナは2012年GI独オークス(芝2200m)を3馬身半で圧勝した馬。距離が延び、直線の長い東京コースに替わるのは間違いなくプラスに働きそうだ。もちろん普通にスタートしてくれればいいが、また出遅れるようなことがあっても、今回のコースなら挽回可能と見ている。期待したい。

 続いてはカーサデルシエロ(牝3歳/藤原英昭厩舎)。3月10日の未勝利戦(中京・芝1600m)でデビュー戦勝ちを飾った馬だ。競馬におけるレース経験というのは大きなアドバンテージであり、既走馬相手のデビュー戦で勝利を挙げるというのはそう簡単なことではない。

 その未勝利戦の勝ち時計は1分36秒7と、稍重馬場だったにせよ平凡で、着差もクビ差とわずかだったが、実際のレースを見ると時計や着差では伝わらない強さが感じられる。最後の直線では最内を突いたものの前が開かず、外に持ち出し、再び追い出そうと思った途端に外から他馬が前に来て追えず、さらに外に進路変更を余儀なくされる不利があった。

 ようやく視界が開けて追い出されたのは残り150m付近で、そこから先頭との約3馬身差を一気に詰めて差し切った。再三の不利にも怯(ひる)まない勝負根性とその末脚は一級品だ。今回は400mの距離延長となるが、その走りからは苦にしないだろう。

 血統は父が桜花賞馬アーモンドアイの父でもあるロードカナロアで、母はオークス馬ダイワエルシエーロ。いとこに昨年のGI菊花賞馬キセキがいる良血だ。管理する藤原英昭調教師はエポカドーロで先週の皐月賞を勝利。血統、調教師の勢いに乗っての激走に期待したい。

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