ワグネリアン、皐月賞は「ダービー戴冠へ向けた調整」説は本当なのか

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

「悪いところばかり出たレースでしたね」

 関西の競馬専門紙記者がそう漏らすのは、前走の弥生賞(3月4日/中山・芝2000m)で2着という結果に終わったワグネリアン(牡3歳)のレースぶりについて、だ。

 何が悪かったのかというと、まず「馬体減」、次に「入れ込み」、それから「コーナリングのまずさ」と「加速の遅さ」だという。

 トライアルということで、弥生賞は結果よりも内容重視。陣営としては、連勝記録などは意識せず、いかに次、つまり本番につながるレースをするかを心がけた。

 ゆえに、仕上げは馬体的にも、精神的にも余裕残し。"負け"はある程度覚悟していた。

 だが、結果は2着と何とか格好はつけたものの、一方で、この馬の現時点における"限界"をも露呈する形となってしまった。

 先述した「コーナリングのまずさ」に加えて、この馬はスタートしてスッと好位につける競馬ができない。これらをまとめて言えば、「器用さに欠ける」わけで、何よりその「器用さ」が求められる中山コースの適性が低いことが明らかになったのだ。

弥生賞では苦杯をなめたワグネリアン弥生賞では苦杯をなめたワグネリアン

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