弱冠20歳にして各地を行脚。藤田菜七子ジョッキーは何を見たのか? (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu  photo by Sportiva

「ありがたいことに、地方競馬でもレ―スに乗せてもらえる機会に恵まれていたのですが、若手の方とはあまり話したことがなかったんです。そうしたジョッキーたちと交流を深めることができました。また、これまでいろいろな競馬場で乗せていただいた経験がアドバンテ―ジになったと思います。

 予選を勝ち抜いて、ファイナルに進めたことはうれしかったですが、ファイナルでは(14人中13位と)結果を出せなかったのが悔しかったので、今年もあれば、頑張りたいと思います」

――去年、印象的だった競馬場はありますか?

「岩手では規定により4kg減で乗れるので、盛岡に行くことが多かったですね。芝のレースでも勝つことができたのはすごくうれしかったです」

――藤田騎手もそうですが、同期の若手もみんな競馬に向かうときの顔つきが変わってきたように思います。

「いつも顔を合わせているので、私自身あまりそういう実感はないですけど、そうなんですかね(笑)。確かに、海外の女性騎手はみんな声を出して気合いを入れていますので、そこまでとはいかないまでも気合いを表に出す、というのもひとつなのかなと」

――競馬学校の同期の坂井瑠星(りゅうせい)騎手がちょうど今、オーストラリアに単身で修行に出ていますけれども、やはり刺激は受けますか?

「同期だけに率直にすごいなと思いますし、尊敬もします。私も海外の競馬に興味はありますし、いつか行きたいという気持ちはあるんですけど......。日常も競馬も文化が全然違いますし、なかなか簡単なことではないだけに、そういうところへ挑戦していることに対して、すごく刺激を受けます。

 でも、海外に何カ月も出ていくと、日本を留守にしてしまい、戻ってきたときにゼロからのスタ―トになるリスクもあるので、そこの判断、決断がなかなか難しいですね。勉強しに行きたい気持ちも十分にありますが、日本での競馬も期間が空くことにに怖さもあります。難しいですよね」

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