弱冠20歳にして各地を行脚。藤田菜七子ジョッキーは何を見たのか? (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu  photo by Sportiva

    ――逆に短期で来る外国人騎手と一緒にレースしての印象はいかがですか?

「クールには見えますけど、気合いはものすごく感じますね」

――一方で、ひとつ残念なのが、女性騎手として藤田騎手と近い時期にデビューした香港のケイ・チョン騎手がケガを理由に引退することとなってしまいました。いつか、ふたりの競演が見られることを楽しみにしていたんですが。

「直接お会いしたことはないのですが、香港であれだけ結果を残していて、すごく巧い騎手だと聞いていて、いろいろ話を聞いてみたかったので、すごく残念ですね。同時にやっぱりケガがつきものの職業で、自分が気をつけていてもケガしてしまうこともあるし、自分の不注意で周りにケガをさせてしまうこともあるので、それは気をつけようと思いました」

――さて、あと少しで通算31勝となり、減量特典も3kgから2kgになります。そして、GIへの騎乗もできるようになりますが。

「常に『次の1勝』を目標としてやっていますが、その積み重ねの結果として、早くそこには到達したいですし、直近の目標でもあります。2kgになったら乗り方も変わってくると思いますので、まだまだ得ることは多いと思います」

――競馬学校の後輩に女性の候補生が入って、先日、同じ根本厩舎に研修に来ました。

「調教でも一緒に乗りましたが、競馬学校の頃を思い出しましたね。競馬学校では多くても同時に出てくるのは20頭ぐらいだったんですけど、トレセンに来たら、とにかく馬の多さに驚いたことを覚えています。また、数年後にジョッキーになるときに負けたくないなと今から思っています」

――昨年、20歳になりました。たぶん、「20歳だから」という意識はそれほどなかったとは思いますが、それでも実感するようなことはありましたか?

「競馬に関しては自分の意識が変わらないので、そんなにはないんですけど、社会的な責任ある立場にはなったので、そこはしっかりしていきたいと思っています」

――お酒の席に呼ばれたりすることも増えたのでは?

「意外とそうでもないんですよ」

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