これはすごい状況! 今年は逸材ぞろいの2歳牡馬「最新ランキング」 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki


 ここまで重賞を2勝した馬はいないものの、重賞勝ち馬はそれぞれのレースで高いパフォーマンスを見せている。その中でも、圧倒的な存在感を示しているのが、東京スポーツ杯2歳S(11月18日/東京・芝1800m)を快勝したワグネリアン(父ディープインパクト)。デビュー3戦3勝を決めて、堂々の1位となった。

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「ヘンリーバローズ(父ディープインパクト)との壮絶な叩き合いを制した新馬戦。超スローペースとはいえ、上がり3ハロンでマークした32秒6という時計は出色のものでした。その後、オープン特別の野路菊賞(9月16日/阪神・芝1800m)、続く重賞の東スポ杯2歳Sと、ともに長い直線でしっかり伸び切って楽勝。その強さは際立っています。今後について陣営は、年内のGI2戦はパスして、クラシックの王道路線とも言える、弥生賞→皐月賞→ダービーというローテーションを示唆しています。

 ディープインパクト産駒で、450kg台と大型馬ではないものの、勝負どころでスパッと動けず、パドックでもテンションが上がるタイプ。馬体も、キ甲が抜けておらず、トモ高でバランス面にも良化の余地がありますが、逆に言えば、3戦3勝の実績がありながら、心身ともにまだ伸びしろが相当あるということ。そこも、大きな魅力です。東スポ杯2歳Sで、すでに輸送はクリア。クラシックの勝ち方を知っているオーナー(金子真人ホールディングス)と調教師(友道康夫)が選択した、4カ月の休養がいい方に向けば、世代屈指の決め脚を武器にして、来年のクラシックを席巻する可能性は大いにあります」

土屋真光氏(フリーライター)
「ヘンリーバローズを相手に勝った新馬戦が、最もタフなレースでした。以降は、レースを重ねるごとに経験を積んで、勝ち方に余裕が出てきているように思えます。すでに完成度の高い馬なので、疲れを残すことのある2歳GIをあえてスキップ。消耗を避けて、来年のクラシックに備えるといったレース選択からも、陣営の期待の大きさがうかがえます」

市丸博司氏(パソコン競馬ライター)
「2歳戦では過去に見たことがないような高いTF指数を、東スポ杯2歳Sでマークしました。現状では、間違いなく世代トップ。順調に使っていけば、クラシック候補と断言できる器です。次走は弥生賞とのことなので、この馬への挑戦権をかけた戦いが、今後は繰り広げられていくのでしょう」

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