エリザベス女王杯は「GIがほしいわ」と熱望する熟女馬2頭で勝負だ (3ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki photo by Yamane Eiichi/AFLO

 そして5歳を迎えた今年。春はGII金鯱賞(3月11日/中京・芝2000m)を8着、GIヴィクトリアマイル(5月14日/東京・芝1600m)は10着といいところがなかったが、秋初戦の前走、GIIオールカマー(9月24日/中山・芝2200m)を快勝してここに臨む。

 一昨年もエリザベス女王杯には出走しているが、当時はオークス以来約6カ月ぶりの実戦で、スタートでつまずきながらも外を回り、勝ったマリアライトから0秒1差の4着。敗れはしたが中身の濃いレースを見せている。

 今回はここを目標に、キッチリと前哨戦を勝って万全の状態で臨む。オールカマーは好位4番手から内を突く快勝で、後方からの競馬が多かったこれまでを考えると成長ぶりが見てとれる。今回も好走は必至だろう。2010年、2011年とスノーフェアリーでこのレースを2度制している世界の名手ライアン・ムーア騎手が鞍上なのも心強い。

 京都大賞典、オールカマーと牡馬の一線級の多くが出走するレースを制してここに臨んでくる2頭。歩んできた過程は大きく異なるが、2頭とも屈指の実力馬だけに、どちらにも悲願のGI制覇を果たすチャンスはあるだろう。筆者があえてどちらかを選ぶとすれば、潜在能力の高さを評価しているルージュバックを採りたい。どちらにせよ、2頭にはいいレースを見せてほしい。

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