偉大な母、立派な兄を持つシーリア。女王決戦を前にポテンシャル炸裂か (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 そんな現役時代の実績にとどまらず、シーザリオは繁殖牝馬としても一級だった。2010年生まれのエピファネイア(牡/父シンボリクリスエス)は、GI菊花賞(京都・芝3000m)とGIジャパンカップ(東京・芝2400m)で戴冠。2013年生まれのリオンディーズ(牡/父キングカメハメハ)は、キャリア2戦目でGI朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)を制覇という快挙を遂げている。

 そうした血統背景を鑑(かんが)みれば、シーリアが注目されるのは当然のこと。今年の2歳馬の中では、トップクラスの期待を背負っていると言っても過言ではないだろう。

 そしてそのシーリアは今、エリザベス女王杯当日の2歳新馬(京都・芝1800m)を初陣に定め、角居厩舎で着々と調整を進めているのだ。母や兄も管理してきた陣営は、同馬についてどんな感触を得ているのか。それについては、関西競馬専門紙のトラックマンがこう語っている。

「スタッフは『これまでのシーザリオ産駒とは違ったタイプ』という話をしていますね。エピファネイアやリオンディーズといった活躍馬は筋骨隆々でしたが、一方でシーザリオ産駒には体が薄い馬もいたそうで、『シーリアは筋骨隆々なタイプと薄いタイプの中間』とのこと。馬体重も460kgと、中型サイズと言えそうです」

 これまでの兄姉とはタイプが違うというシーリア。それでも、その走りからはやはり素質の高さを感じるという。先述のトラックマンが続ける。

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