前走8着でも、天皇賞・秋でソウルスターリングを推す記者の根拠は? (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Kyodo News

「もう一度、パトロールビデオを見てほしいのですが、ソウルスターリングはゴール板を過ぎてからも、脚色は鈍っていないんですよ。このことから、毎日王冠は力を出し切っての敗戦ではないことがわかります。それに、ルメール騎手は『休み明け』という日本語を上手に使っていました。その言葉の裏には、『あくまでも前哨戦だから......』という強い思いが隠れているように感じます」

 ただ、天皇賞・秋における3歳牝馬の勝利は過去に1度もない。3歳牝馬がこの舞台に挑んでくることが非常に少ないこともあるが、3歳馬の出走が開放された1987年以降、牡馬を含めても3歳馬が勝ったのは、2002年のシンボリクリスエスと、1996年のバブルガムフェローの2頭だけ。天皇賞・秋でソウルスターリングが勝ち負けするのは、データ的に見てもかなり厳しい状況だ。

 それでも、木南氏はソウルスターリングを無視するべきではないという。

「今度はGIで負担重量も馬齢によるもの。(ソウルスターリングの)本当の真価が問われる一戦です。決して楽な戦いではないと思いますが、ダービーのレース後に藤沢和師とふたりでいるときに聞いたのは、『ソウルと(同厩舎の)レイデオロを一緒に走らせることはない』という話。理由は『どちらもクリストフに続けて乗せたいから』というものでした。その言葉をそのまま受け取れば、ルメール騎手がその鞍上でいる限り、ソウルスターリングを軽視することはできないでしょう」

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