調教師が「夢」を激白。ユニコーンSは新女傑リエノテソーロで鉄板! (5ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 デビュー戦、すずらん賞、さらにその後のダート重賞と、道中は2、3番手の好位から直線で抜け出すという危なげないレースで連勝。短距離馬で仕上がり早というと、スピード任せというイメージが強いが、リエノテソーロは違った。仕掛けられてからグッと重心を落として、回転の速いピッチ走法でゴールを前にして加速していくタイプだ。武井調教師が補足する。

「そこが、『この馬、天才だなぁ』と思うところ。騎手が"抑える馬"ではなく、騎手の指示を"待てる馬"なんですよ。だから、(道中も)抑えて控えているのではなく、無理なく待っているので、最後の加速につながるわけです。その加速も、他の馬が2歩進む間に3歩進めるスピードがあります」

 それにしても、そこまでの能力があったら、桜花賞に出走してもよかったように思うのだが......。その疑問について、武井調教師はこう説明した。

「軽いソエが出たのと、実はアネモネSのあと、また腹痛を起こしてしまったんです。4着に負けて、初めてレース後に検体採取(レースの1~3着馬および指定された馬が行なうもの)をされずに帰ってきたものだから、そんな、これまでと違うことにどうも納得できなかったようなんです(苦笑)」

 NHKマイルCでは、環境の変化に備えて木曜日に東京競馬場入り。それが功を奏して2着となった。もちろん、レース後には検体採取もあって、その後は納得できた様子で体調に問題はないという。

 そして今回も、木曜日に輸送して万全を期す。

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