大波乱続出のNHKマイル。今年はこの4頭が「高配当」を運んでくる (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 現3歳世代は、牝馬戦線が役者のそろった「ハイレベル」と言われてきた。片や、牡馬戦線は主力不在の混戦で「低レベル」とさえ言われている。実際、ここでも"主役"を張れるほどの絶対的な牡馬の存在は見当たらず、どの馬も決め手に欠ける。ならば、桜花賞で一歩足りなかった馬たちが、未知なる長距離戦に向かうより、牡馬相手でも適距離のGIに勝機を感じるのは、当然のことなのかもしれない。

 そんな今年と同様、過去にも牝馬が「ハイレベル」と言われた年はあった。代表的なのは、2014年と2007年だ。そして、その2年ともNHKマイルは大波乱となっている。

 2014年は、ハープスターを主軸に3歳牝馬が話題の的となり、牝馬の牡馬クラシック参戦も相次いだ。そしてこの年、NHKマイルは1番人気ミッキーアイルが勝利したものの、2着に17番人気のタガノブルグが入り、3着も12番人気キングズオブザサンが飛び込んできた。3連単は、68万4020円という高額配当になった。

 2007年は、ウオッカとダイワスカーレットの「2強」が3歳クラシックを沸かせた年。ウオッカは、牡馬相手にGI日本ダービー(東京・芝2400m)を制すという快挙を達成した。実はその目前、NHKマイルでも牝馬が大仕事をやってのけていた。

 雨の中、ピンクカメオが激走して頂点に立ったのだ。同馬は18頭中17番人気で、単勝配当は7600円にも上った。さらに強烈だったのは3連単。2着は1番人気ローレルゲレイロが死守したものの、3着に18番人気ムラマサノヨートーが突っ込んできて、973万9870円という超高配当となった。

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