レッドファルクス軽視に異議あり。高松宮記念は本当に「混戦」なのか (5ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 香港スプリントのあと、さすがに海外遠征の疲労は大きかったようで、馬体の回復に時間がかかった。そのため、高松宮記念はおよそ3カ月の休み明けで挑むこととなった。

 それでも、佐伯氏は「もちろん、本番前に一度使えればベストでしたが」と前置きしたうえで、レースへの期待をこう語った。

「予定よりも回復が遅れたものの、今はきちんと(レースに向かえる)態勢が整っており、体調面での不安はありません。ぶっつけ本番となりますが、これまでも休み明けで勝っていますから、その点も心配はしていないんです。スプリンターズSも3カ月ぶりでしたしね。何より、本来この馬にとっては、左回りの高松宮記念こそがベストの舞台。CBC賞を勝ったときも、『来年の高松宮記念で面白いかも』と思っていました。ぜひ、がんばってほしいです」

 陣営が工夫をこらして、それに馬が応えて、昨夏に本格化した。もはや、かつてのひ弱さはなく、苦手な舞台もなくなった。ならば、メンバー随一の実績を素直に評価すべきではないだろうか。

 最も得意な舞台に挑むレッドファルクス。ふたつ目のGI制覇を遂げて、真の「王者」として君臨する日がまもなく訪れる。

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