美人騎手・藤田菜七子「願いごとがかなうなら、筋肉と体幹がほしい」 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu  倉元一浩●写真 photo by Kuramoto Kazuhiro


――みんな、体がゴツかったですね。

「みんな普段から前へ前へと出てきて、気も強いんです。そして、レースでもやっぱり強気なんですよ。声の出し方なんか、日本の騎手は「危ない」とか「ここにいるぞ」とか言うくらいですが、あっちの女性ジョッキーはもうずーっと叫んでいましたよ。言葉がわからないんで、何を言っているのかはわからなかったんですが、ゲートを出た瞬間から『おりゃーっ!』って具合に叫んで馬を出して、道中も後ろで『どけー!』と言っているのか、馬を叱咤しているのか、やっぱり叫んでますし、最後の直線ももちろん『おりゃーっ!』って叫びながら追っていて、騎乗だけでも体力使うのに、すごいなーって(笑)。なかなか日本では考えられないので、文化の違いを感じました」

――藤田騎手も日本で叫ぶようになったり?

「それはないんですけど(笑)。より強い気持ちを前に出して、レースしなければならないな、とは思いました」

――今月のマカオも楽しみですね。

「マカオで騎乗したことのある騎手って結構多くて、いろいろな人が教えてくれますので、情報収集はしています。武豊騎手と一緒に参加できるのは心強いですね。緊張もしますけど(笑)」

――デビューシーズンだけで、地方も含めるとかなりの競馬場で騎乗しました。今の段階で、好みの競馬場とかコース、または逆に難しいコースってありますか?

「どのコースも簡単ではありませんが、気持ちのうえでは、東京のダートコースは3回勝たせてもらったこともあって、好きなコースといえますね。地方も競馬場によって、まったく特徴が違いますけど、名古屋競馬場は砂の質も違って印象的ですし、(女性騎手の)宮下瞳騎手や木乃前葵騎手もいて、私も頑張ろうという気持ちになります」

――乗ってみたい馬はいますか?

「現役ですと、キタサンブラックとか強くて格好いいなあと思います。昔の馬で挙げると、ダイワスカーレット()が好きでした。有馬記念はすごく印象に残っています」
※生涯成績12戦8勝。桜花賞、有馬記念などGI4勝の名牝

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