評価落ちの実績馬は恐い。有馬記念の歴史からマリアライトが光り輝く

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

2016クリスマス決戦、有馬記念(3)

 12月25日に開催される有馬記念(中山・芝2500m)。同レースは、長い間「牝馬が勝てないレース」と言われてきた。

 事実、1971年に"女傑"と呼ばれたトウメイが勝って以降、実に37年もの間、牝馬が勝ち馬になることはなかった。

 その壁を破ったのは、2008年のダイワスカーレット。牝馬として、37年ぶりに勝ち星を挙げた。さらに一昨年には、ジェンティルドンナが強力牡馬を一蹴して快勝。ここ10年の有馬記念では、ずっと勝てなかった牝馬が2頭も勝って、他にもブエナビスタが2年連続で2着に入線(2009年、2010年)。計3頭、都合5回の連対を果たしている(2007年にダイワスカーレットが2着)

 有馬記念で「牝馬は勝てない」とか、「馬券に牝馬はいらない」というジンクスは、もはや完全に過去のものになったと言っていい。

 そして今年も、牡馬勢を蹴散らして上位に食い込んでもおかしくない牝馬が3頭、出走を予定している。

 なかでも注目は、ファン投票最上位(全体の5位)のマリアライト(牝5歳)だろう。

今春の宝塚記念では強豪牡馬を一蹴したマリアライト今春の宝塚記念では強豪牡馬を一蹴したマリアライト ここまでGI2勝。特に圧巻だったのは、今年上半期のグランプリ、宝塚記念(6月26日/阪神・芝2200m)の勝利だ。昨年のダービー馬で、凱旋門賞出走も予定していたドゥラメンテ()の追撃を見事に振り切った。その強さは、まだ記憶に新しい。
※宝塚記念のレース後、故障して引退。

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