荒れるGIチャンピオンズC。過去の波乱馬に似た2頭が砂嵐を起こす

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 1番人気、鞍上は武豊――。12月4日に行なわれるGIチャンピオンズカップ(中京・ダート1800m)は、先週のジャパンカップでキタサンブラックに騎乗して人気に応えた武豊騎手が、再び1番人気の手綱を取って主役を務める様相となっている。

 彼の相棒となるのは、ダート転向から6連勝中という無類の強さを魅せるアウォーディー(牡6歳)だ。負けなしのダート戦では、JRAおよび地方交流重賞を5連勝。前走では地方交流GIのJBCクラシック(11月3日/川崎・ダート2100m)を制覇し、一気に頂点まで上り詰めた。今回も断然の1番人気が予想される圧倒的な存在だ。

 だが、このコンビにとっては嫌なデータがある。2014年にジャパンカップダートからチャンピオンズCに代わって2年、1番人気の馬は2度とも馬群に沈んできた。昨年は、武豊騎手騎乗のコパノリッキーが7着に惨敗。一昨年も同じくコパノリッキー(鞍上は田辺裕信騎手)が12着と大敗を喫した。

 しかも、昨年は12番人気という"大穴"サンビスタが制覇。一昨年も、勝ったのは2番人気のホッコータルマエだったが、2着に8番人気の伏兵ナムラビクターが入って、波乱となった。

 まさに、ひと筋縄ではいかない一戦。まだ2回しか行なわれていないとはいえ、いずれも波乱となって、"荒れるGI"と言える。いかに「天才ジョッキー」と「無敗のダート馬」という最強コンビでも、"中京の魔物"に飲み込まれてしまう可能性は大いにある。

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