GI番長デムーロが、チャンピオンズCで居並ぶ古馬をアッと言わせる

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 早いもので、今年も師走を迎えました。師走の競馬は、リーディング争いが熾烈になって、出走頭数も増えるため、予想するのが難しいレースが多くなります。

 とはいえ、そこに絡むジョッキーや調教師など、関係者それぞれの思惑を読むのも、師走競馬の醍醐味と言えるでしょう。なぜ、あのジョッキーがこの馬に乗るのか? どうして、あの厩舎はこの馬をこのレースに使うのか? そんな普段とは違った角度から出馬表を見て、馬券予想に生かしてみるのも面白いと思いますよ。

 さて、今週のGIは「ダート王決定戦」となるチャンピオンズカップ(12月4日/中京・ダート1800m)。ここでも騎手の乗り替わりが多く、さまざまな思惑がありそうです。

 例えば、ルメール騎手は3歳春からずっと手綱を取ってきたノンコノユメ(セン4歳)ではなく、なぜかコパノリッキー(牡6歳)に騎乗します。先にジョッキーが決まったのがどちらの馬かにもよるのですが、これには何かしら"隠れた動機"がありそうです。

 今回と似たようなシチュエーションは、この秋のGIでもありました。エリザベス女王杯です。このときも、ルメール騎手はそれまで主に騎乗していたタッチングスピーチではなく、シングウィズジョイに乗っていました。その乗り替わりにも何かしら理由があったのでしょうが、結果はご存知のとおり、シングウィズジョイが2着と好走しました(※タッチングスピーチは8着)。面白いものですね。

 日本に主戦場を移して2年目となるルメール騎手。今年はすでに165勝を挙げて、日本の競馬の軸となっているジョッキーです。馬券検討においても、カギを握る存在であることは間違いありません。単純にそれだけで、コパノリッキーには注目が集まりそうです。

 実際、あの当たりの柔らかい騎乗は、コパノリッキーにはすごく合いそうな気がします。今回、どんな思惑があったにせよ、決して無視することのできない1頭です。

 アウォーディー(牡6歳)に乗る武豊騎手にも、さまざまな思惑があったのではないでしょうか。そもそも、武豊騎手はコパノリッキーの元主戦ジョッキー。さらに、アメリカの三冠レースにも一緒に挑んだラニ(牡3歳)も、お手馬の1頭です。そんな中で、アウォーディーを選んでいるわけですから、同馬への期待の高さがうかがえます。

 すでに前走、地方交流GIのJBCクラシック(11月3日/川崎・ダート2100m)を勝利。ハイレベルなメンバーを相手にして結果を出している分、現時点では最もいい感覚を持っているのでしょう。もしかすると来年は、ラニに乗っているかもしれませんが......。

 とにかく、ダート路線へ転向後、6連勝と底を見せていないアウォーディー。すべてのレースで好位につけ、センスのいい走りから自在に動いて白星を飾っています。ここ2戦も、着差こそわずかでしたが、内容的には「完勝」でした。

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