エリザベス女王杯の「荒れる方程式」から導かれた穴馬は2頭いる (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 早速、昨年の結果と今年のメンバーを照らし合わせてみると、穴馬として最適な馬が見つかった。

 シュンドルボン(牝5歳)である。

「穴馬」候補のシュンドルボン。中山牝馬Sではルージュバックを抑えて重賞初制覇「穴馬」候補のシュンドルボン。中山牝馬Sではルージュバックを抑えて重賞初制覇 同馬は、昨年もエリザベス女王杯に出走。結果は7着だったものの、勝ち馬マリアライトとのタイム差は、コンマ2秒しかなかった。馬券圏内に食い込める位置まで来ていて、十分に"好走した"と言っていいだろう。

 昨年は条件戦を3連勝して、昇級初戦の初重賞がGI戦だった。そのため、11番人気の評価となったが、それを覆(くつがえ)して勝ち馬と差のない7着。ポテンシャルの高さを存分に証明した。

 そして今年は、トップクラスでの実績を積んで、GIII中山牝馬S(3月13日/中山・芝1800m)では重賞初勝利を飾った。1年ぶりとなる"得意舞台"で、大仕事をやってのけてもおかしくない。

 エリザベス女王杯では、もうひとつ、注目すべき傾向がある。それは、年内に条件戦を連勝したり、圧勝したりして、上昇カーブを描いている馬が好結果を出していることだ。

 例えば、昨年の覇者マリアライトは、春に下級条件を連勝してオープン入り。その後、重賞で2着、5着と健闘すると、初のGI挑戦で頂点に立った。また、2013年に2着となったラキシスは、直前に500万下条件、1000万下条件と連勝。そこから、クラスを一気に飛び越えてのGI戦でも通用したのである。

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