母から「ゲルマン魂」を受け継いだ
アルミレーナは、小さな筋肉娘
厳選!2歳馬情報局(2016年版)
第20回:アルミレーナ
ヨーロッパの競馬主要国と言えば、歴史があり、世界的なビッグレースが開催されるイギリスやフランスだろう。それらに比べると、やや影が薄いイメージではあるが、近年注目を集めているのは、ドイツ競馬だ。同国の調教馬がヨーロッパで大いに活躍している。
最近では、2011年の凱旋門賞など、GI5勝を挙げたデインドリームや、GI4勝馬のノヴェリスト(※生産国はアイルランド)といった馬が、ヨーロッパの競馬界を賑わせた。ノヴェリストは引退後、日本で種牡馬になるなど、世界的にその血統的な価値も高まっている。
そんなドイツ競馬で活躍した名牝を母に持つ2歳馬が、まもなく日本でデビューを迎える。アルミレーナ(牝2歳/父ディープインパクト)である。
もうすぐデビューを迎えるアルミレーナ 母ナイトマジックは、GIバーデン大賞(ドイツ・2400m)と、GIドイツ・オークス(ドイツ・芝2200m)を制している。特にバーデン大賞は、ドイツの最強馬を競う位置づけのレース。まさにドイツ競馬を彩って、その頂点に立った"ヒロイン"だ。
そのナイトマジックの2番目の子となるアルミレーナ。見栄えは牝馬特有の線の細さを感じるものの、引き締まった馬体で、幼少期の頃から光るものがあったという。育成を担当したノーザンファーム空港牧場の伊藤賢氏は、今春の取材でこんなことを語っていた。
「体は華奢(きゃしゃ)ですけど、いいモノを持っていますよね。動きはディープインパクト産駒の典型で、父特有の乗り味のよさを感じます。バネがありますし、芯が入ればさらによくなるのではないでしょうか」
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