西の「旅打ち」は、オグリキャップを生んだ笠松競馬の特別席から (4ページ目)

  • 土屋真光●旅人 Traveler&text&photo by Tsuchiya Masamitsu

600円払って「特別指定席」を確保するも......

「旅打ち」企画の報せを受けた時点で、すでに5000円以上使ってしまっている。マイナスからのスタートである。第1ラウンドの笠松では、最低でもそのマイナス分を取り戻したい。

笠松競馬場にあるオグリキャップ像笠松競馬場にあるオグリキャップ像 オグリキャップ像への挨拶を済ませると、場内では第3レースがゴール前の攻防を迎えていた。4コーナーであっさりと先頭に立った9番の馬が後続を引き離して勝利した。

 騎乗していた藤原幹生騎手は、これがデビュー以来通算600勝のアニバーサリーとなった。こういう瞬間に遭遇すると、こちらの気分も上がってくる。

 上がるのは気分だけではない。梅雨が明け、いよいよ夏本番を迎えたことで、気温の上がり方も尋常ではない。この日、名古屋周辺の最高気温は32度を記録。場内のスタッフに聞けば、正午の時点でコース脇では37度に達していたとか。ジョッキーも、馬も、みんなご苦労さんです!

 そうした状況の中、快適な環境こそが的中を生む――きっと昔のえらい人はそう言ったのではないか。涼を求めるため、600円払ってスタンド3階にある「特別観覧席」に入ることにした。なぁ~に、600円ごとき、すぐに取り戻せるはずさ。

 笠松競馬場には、いわゆる屋内指定席がふたつあって、ひとつはゴール寄りの「ユーホール(500円)」。もうひとつが、ワシが入った4コーナー寄りの「特別観覧席」。こちらは各席に大きめのモニターが備えられている。

4 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る