兄リアルスティールを超えるか。話題の「良血」カデナダムール (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

「カデナダムールは乗ってみると、やはりいい馬ですね。普段は少し動きに硬さがあるんですが、キャンター(駈歩/かけあし)をすると、柔らかみのある走りになります。兄もそんな感じだと聞いているので、硬さについてはそれほど心配しなくてもよさそうです」

 馬体は牝馬らしい小さなサイズで、春の時点でも体重は430kgと小ぶりだった。とはいえ、熟練のスタッフからすれば、そこはあまり気にすることはないという。岡氏が説明する。

「見た目のサイズは大きくないのですが、今は成長途上。このままじっくり調整して、秋にひと回り大きくなればいいと思っています。調教を始めたら、どんどん体も変わってきたので、これからに期待ですね。距離適性は長い距離を走るタイプではなさそうですが、牝馬同士のレースなら、ある程度の距離には対応してくれるのではないでしょうか」

 カデナダムールは、夏の間にも馬体を増やしている様子。まだ具体的な予定は出ていないが、デビューの態勢が整った時点で、所属する矢作芳人厩舎(栗東トレセン/滋賀県)へと入厩するだろう。

 ラングレーやリアルスティールを手がけるスタッフによって、カデナダムールはその兄らに勝るとも劣らぬ成績を挙げることができるのか。待望される牝馬クラシック制覇へ向けて、まずはデビューを迎える日をじっくりと待ちたい。

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