街から遠い盛岡競馬場の旅打ちは、無料バスの発車時刻に注意! (6ページ目)

  • 新山藍朗●旅人 Traveler&text&photo by Niiyama Airo


オイシイ馬券をゲットできたが......オイシイ馬券をゲットできたが...... 出走頭数が少なく、そのため大きくは荒れない地方の競馬では、これはちょっとしたオイシイ配当だ。なのに、ワケのわからない不安に駆られて100円しか買っていないとは......。

 次の9レースも、同じようにパドックを見て、ひらめいた馬がいた。再びそこから買うと、これも馬単が2260円の好配当。2連勝である! が、投資金額は100円。しかも悪いことに、前のレースで当たったのをいいことに、あれもこれもと、本来買う予定ではなかった馬券まで買ってしまった。

 結果、3レースでトータル儲けは500~600円。

 馬券は投資金額が大事じゃないし、何より儲かったからいいじゃないか、という考え方もあるだろう。けれども、もう少しうまく買えば、思わぬ出費となったタクシー代がチャラにできたうえ、このあと駅前あたりで、岩手が誇るうまい地酒にありつけたかもしれない......。そんな気持ちがモヤモヤとした、後ろ髪をひかれるような思いが強く残った。

 最終の10レースは、帰りのバスに乗り遅れることが心配になったので、見(けん)。

 盛岡駅からの競馬馬行きのバスがあと30分か40分遅かったら、今日はどんな一日だったのだろうか。バスに揺られながら、長い、長い一日に思い巡らせていたワタシは、北の地にあるひとつ目の競馬場を後にした。

(つづく)

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