ドバイに続く快挙なるか? 香港国際GIに挑む日本馬3頭の勝算 (3ページ目)

  • 土屋真光●文・写真  text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 また、鞍上には前述のパートン騎手を迎えることになったが、現地の記者によれば、「もともとミリタリーアタック(セン8歳、C.ファウンズ厩舎、13年のQE2C勝ち馬)というお手馬がいながら、こちらを選んだようだ」とのこと。モレイラ騎手の快進撃で騎手リーディングは2位に甘んじているが、腕は日本でも証明済みだけに、こちらも期待が高まる。

 日本勢以外では、アイルランドのハイランドリール(牡4歳、A.オブライエン厩舎)の評価が高い。昨年のGI香港ヴァーズの勝ち馬で、レーティングはラブリーデイと同等。前走はGIドバイシーマクラシック(メイダン・芝2410m)でポストポンド、ドゥラメンテ、ラストインパクトに次ぐ4着と、実力、適性ともに証明済み。遠征経験が豊富で、かつ実績を残している点は、日本勢よりもアドバンテージがある。昨年夏からアメリカ、イギリス、アイルランド、オーストラリア、香港、UAEと転戦しての今回にも関わらず、到着してすぐ翌日から強めの調教を行なっているタフさも不気味だ。

 地元・香港の記者らによると、香港勢では一昨年の勝ち馬デザインズオンローム(セン6歳、J.ムーア厩舎)が上位で、昨年の勝ち馬ブレイジングスピード(セン7歳、A.クルーズ厩舎)は折り合いと展開がはまることが条件、ミリタリーアタックは3番手評価も年齢的な衰えが否めない、というのが揃った見解である。

 評価が分かれているのは、今年のGI香港ダービー(シャティン・芝2000m)の勝ち馬であるウェルテル(セン4歳、J.ムーア厩舎)である。ニュージーランドとオーストラリアで重賞を1勝ずつし、香港移籍後に初戦を勝つと、続く4歳限定のGI2戦を2着したのを経て、香港ダービー制覇に至った。勝ち時計2分1秒76は、その2週前にGI香港ゴールドカップ(シャティン・芝2000m)をデザインズオンロームが制した際に記録した2分1秒51と比較すると、大きな差を感じさせない。手放しに次代のスター候補と目される一方で、こんな辛口の声もある。

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