マカヒキに乗り替わりの心配なし。父ディープの再現あるぞ (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu  photo by Kyodo news

「でも、それで人気を落とすようであれば、むしろ馬券的にはおいしいという意見が、トレセンに出入りしている記者たちからは多く出ていますね」

 そう話すのは、デイリー馬三郎の吉田順一記者である。

「特に強く懸念されているのが乗り替わりですが、ルメール騎手騎乗ということで過剰に人気になりそうな要素がなくなりましたからね。そもそも乗り替わり自体、ルメール騎手が手放したというより単なる先約の都合。折り合いもつきやすい馬ですし、乗り替わりにナーバスになる必要はありません」

 実は皐月賞の歴史を紐解いても、過去20年で6例もあるように、テン乗り(乗り替わりによる初騎乗)での勝利はめずらしいことではない。昨年のドゥラメンテも同馬に初騎乗のミルコ・デムーロ騎手が勝利に導いた。川田騎手自身についても、皐月賞は08年にキャプテントゥーレのコンビで自身初GIタイトルとなる勝利を挙げた経験もある。

 他の懸念も、いずれも悲観するようなものではない。弥生賞から皐月賞を連勝したケースは、父ディープインパクトを踏襲するものだ。それだけではない。デビュー戦の新馬戦→若駒ステークス(京都・芝2000m)→弥生賞を3連勝という戦績も父とまったく同じ。また、マカヒキを管理する友道康夫調教師は、かつてスプリングステークスから皐月賞を勝ったアンライバルドを手掛けており、それを踏まえてのローテーションと受け取れる。全姉ウリウリもこてこての短距離馬ではなく、距離に融通性もある。 

 何より、この馬自身のポテンシャルが不安を一掃させる。

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