負けた経験が強みに! デムーロが乗るリオンディーズ逆転Vへ (3ページ目)

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki photo by Kyodo news

【経験値】
 ここで言う経験値は、単にレース数の多さだけではなく、いかに多くのパターンの競馬に対応してきたかというもの。リオンディーズは3戦とも外側の枠(15頭立て8枠15番、16頭立て8枠15番、12頭立て7枠10番)に入り、馬群に入るような競馬は経験がない。内側の枠で出遅れて馬群に包まれるような競馬になった場合、対応できるかは未知数だ。

 馬場状態は3戦とも良馬場だった。デビューから2戦で上がり3ハロン33秒台前半の脚を使い、GII弥生賞も勝ち時計2分を切る速いタイムの決着だった。道悪や時計のかかる馬場には多少不安が残る。

 しかし、前走の敗戦は、“同じ競馬をしたらまたマカヒキに差される”ということが見えたので、その経験は大きい。過去20年、無敗で皐月賞に臨んだ馬は14頭いたが、勝利したのはアグネスタキオンとディープインパクトの僅か2頭。後のダービー馬ロジユニヴァースも、菊花賞馬キタサンブラックもここで初の敗戦を喫している。“負ける”という経験はそれだけ課題や対策が見えてくるという大事なものなのである。先週のGI桜花賞のジュエラーも、昨年のGI皐月賞のドゥラメンテも、前走1番人気で2着に敗れながら、デムーロ騎手が課題を修正して勝利に導いているのが、それを証明していると言えるだろう。

●結論
 揉まれる競馬や馬場は未知数も、“負け”を経験したのはプラス。


【2歳王者】
 前年の2歳王者は、2013年にロゴタイプが勝利しているが、その前は1994年のナリタブライアンまで遡るように、あまり好成績を残してはいない。過去20年では11頭が出走し、1勝、3着2回(02年エイシンチャンプ、08年セイウンワンダー)、着外8回と、馬券に絡んだのは3頭だけだ。ただ、皐月賞が4戦目というのはリオンディーズが初めて。あまり使い込まれておらず、上昇が見込める点は好材料。

●結論
 データ的には厳しいが、キャリアの少なさは好材料。


【ローテーション】
 弥生賞2着馬は、過去20年で18頭が出走し、2勝(98年セイウンスカイ、2000年エアシャカール)、3着2回(04年メイショウボーラー、05年アドマイヤジャパン)。あまりいい成績ではない。後のダービー馬14年ワンアンドオンリーを含め、ここ9年連続で馬券に絡んでいない。やや不安なデータではある。

●結論
 弥生賞2着馬は過去9年連続で馬券に絡んでおらず、相性は悪い。

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