母に携わった人々が夢見る、エアスピネルのクラシック制覇 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 3戦目は、2歳王者を決めるGI朝日杯フューチュリティS(2015年12月20日/阪神・芝1600m)に出走。圧倒的な人気を集める中、ほぼ完璧なレースを見せたが、母のライバルだったシーザリオの息子、リオンディーズ(牡3歳)の強襲に屈して2着に敗れた。だが、3着以下には大きな差をつけており、そのレース巧者ぶりを考えれば、エアスピネルが世代有数の実力馬であることは間違いない。

 エアスピネルを管理するのは、栗東トレセン(滋賀県)の笹田和秀厩舎。陣営は、この馬でのクラシック制覇に並々ならぬ意欲を持っているという。関西競馬専門紙のトラックマンが語る。

「笹田調教師は、調教師になる前、母エアメサイアの所属していた伊藤雄二厩舎のスタッフでした。また、エアスピネルとコンビを組んでいる武豊騎手も、母エアメサイアの全レースに跨っていた相棒です。そういった背景もあって、『なんとかこの馬でクラシックを!』と、関係者の誰もが相当な意気込みを見せています。母からは心肺機能の高さを存分に受け継いでおり、『クラシック制覇も夢じゃない』と考えているようですよ」

 今後は、GII弥生賞(3月6日/中山・芝2000m)で復帰し、クラシック初戦のGI皐月賞(4月17日/中山・芝2000m)へと向かう予定。舞台は未経験の中山競馬場となるが、それこそが「エアスピネルには追い風になる」と、前述のトラックマンは言う。

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