2015年の年度代表馬は、香港マイルを制したモーリスが最有力
GI有馬記念(中山・芝2500m)が行なわれた12月27日をもって、2015年の中央競馬は幕を下ろした。残すところのビッグレースは、12月29日に大井競馬場で行なわれるJpnI 東京大賞典(ダート2000m)のみ。2015年の競馬シーンをふり返る中で、興味は1月上旬に発表されるJRA賞の各部門賞、そして年度代表馬争いへと向いていく。
JRA賞は2歳、3歳、4歳以上の各牡・牝、そして短距離馬、ダート馬、障害馬の9部門が設定されており、いわゆるMVPに該当する年度代表馬は、各部門賞の選出馬から選ばれる。投票はテレビ・ラジオ・新聞などの各媒体の記者によるもので、各部門について馬名を1頭(あるいは該当なし)記入する仕組みだ。各記者が投票する馬は、各部門の条件さえ逸脱していなければ特に制限は設けられておらず、投票する記者の裁量に委ねられている。
そのため、年間のGI最多勝利馬イコール年度代表馬やその部門の選出馬とは限らない。数よりも質を重視とするケースがあるのは当然で、これぞ投票の醍醐味であるだろう。近年は記者の中にはソーシャルメディアなどで自身の投票についての意見を表明することもあり、それが新たな気づきを与えてくれることも少なくない。
GI3勝目! 香港マイルを制したモーリス
とはいえ、2015年の年度代表馬に最も近いのは、今年6戦無敗、そのうち安田記念(東京・芝1600m)、マイルチャンピオンシップ(京都・芝1600m)、香港マイル(香港シャティン・芝1600m)と国内外でGIを3勝したモーリス(牡4歳)だろうと目されている。今年、ここまでGIを3勝したのはこの馬のみ。無敗で、しかも海外遠征まで成功させた。とりわけ、香港マイルの勝利は、アジア最強マイラーの呼び声も高いエイブルフレンド(セン6歳)を破ってのもので、05年のハットトリック以来の日本調教馬であり、地元香港以外の調教馬の勝利としても価値が高い。部門賞では最優秀4歳以上牡馬と最優秀短距離馬での受賞が濃厚だ。
1 / 3