「牝馬のマツパク」が送り出す、最後の名牝候補リーチザハイツ

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2015年版)
第30回:リーチザハイツ

 数多くの名馬を育て、「名伯楽」としての地位を築いてきた松田博資調教師(栗東トレセン/滋賀県)。これまでに幾多のGIタイトルを獲得してきたが、なかでも、牝馬によるビッグレース制覇が多かった。おかげで、「牝馬のマツパク」とも呼ばれている。

 その代表と言えるのが、3歳牝馬クラシックの二冠(桜花賞・オークス)を含め、GI6勝を挙げたブエナビスタだろう。その他にも、1993年に同じく牝馬二冠(桜花賞・オークス)を達成したベガや、2014年のGI桜花賞(阪神・芝1600m)を制したハープスターなど、時代を彩ったヒロインたちの名前が次々に挙がる。

 そんな名伯楽も来年2月で定年により引退となるが、このタイミングでまた一頭、松田調教師のもとから良血牝馬がデビューを迎えようとしている。リーチザハイツ(牝2歳/父ディープインパクト)である。

骨折してデビューが遅れてしまった良血リーチザハイツ骨折してデビューが遅れてしまった良血リーチザハイツ 母ドバウィハイツは、現役時代にアメリカの芝GIを2勝した活躍馬。さらに母の父ドバウィは、海外で多数のGI馬を輩出し、世界的に注目を集めている種牡馬だ。そのうえで、父は日本屈指の種牡馬ディープインパクト。そんな極上の血を引いているのが、リーチザハイツである。

 そもそもリーチザハイツは、今年6月時点でデビュー間近という状況にあったが、その準備段階で不運にも骨折。休養を余儀なくされた。それでもその後は、順調に回復。すでに厩舎に戻って来ており、年明け早々のデビューが濃厚となっている。

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