荒れる有馬記念。人気薄の激走パターンで見えた「穴馬2頭」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

2015最後の大一番、有馬記念展望(4)

 12月27日に開催されるGI有馬記念(中山・芝2500m)。GIジャパンカップ(11月29日/東京・芝2400m)を勝利したショウナンパンドラ(牝4歳)が直前で回避したものの、それ以外は現役古馬のトップクラスが顔をそろえた。ただ、その有力馬たちには、それぞれ"不安"がある。

 まず、前走のジャパンカップで3着となったラブリーデイ(牡5歳)は、これが秋4戦目となる。その疲労面は気になるところだ。あわせて、一度先頭に立ちながら最後にかわされた前走を見ると、さらに距離が延びることがプラスに働くとは考えにくい。

 ここが引退レースとなるゴールドシップ(牡6歳)も、GI6勝という実績は現役トップだが、不安は尽きない。何より精神面。集中したときは強いものの、少しでも歯車が狂えば、大敗を喫してしまう。特に今年は、それが顕著に表れていて、GI宝塚記念(6月28日/阪神・芝2200m)では、大きく出遅れて15着と惨敗。それ以来となる前走のジャパンカップでも、見せ場なく、10着に沈んだ。

 その他の有力古馬たちも、ジョッキーの乗り替わりや、一気の相手強化など、各々にマイナス要素がある。そんな戦前の状況を見ていると、昨年の有馬記念と似ていることに気づく。

 ということは、昨年の結果を振り返ることで、今年の馬券のヒントが見つかるかもしれない。

 昨年の有馬記念は、今年以上の豪華メンバーが一堂に会したが、今年と同じく有力各馬には何かしらの懸念材料があった。

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