【競馬】女帝エアグルーヴの「忘れ形見」。ショパンの初陣迫る (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

「ショパンを管理するスタッフからは、『さすが一流馬という、見た目の良さを感じさせる』という声が聞こえてきます。体のシルエットが抜群で、つくべきところに肉がつき、締まるべきところは締まっているようです。さらにスタッフは、『乗りやすそうだし、間違いなくいいモノを持っている』とも言っていました」

 デビュー戦の予定はすでに決まっていて、12月20日の2歳新馬(阪神・芝2000m)。鞍上は、今年GI3勝を挙げているミルコ・デムーロ騎手が務める。前出のトラックマンが続ける。

「ショパンは、まだ馬自体に幼さがあるようで、デビュー戦からいきなり勝ち負けできるかどうかは微妙なところです。それでも、そもそもスタッフは長い目で見ていますから、いずれ走ってくるでしょう。来年のクラシックというより、もっと先々まで見守っていったほうがいいタイプだと思います。心身ともに大人になれば、大きいところを狙える"器"であることは間違いありませんから」

 ショパンの全兄ルーラーシップもまた、角居厩舎の管理馬だった。そして兄も、日本ダービー(東京・芝2400m)に出走し5着と健闘したものの、本格化したのは、古馬になってからだった。ショパンも同様の成長曲線を描く可能性は高く、早々に結果が出なかったとしても、決して見限ってはいけないだろう。

 多くの人々に愛されたエアグルーヴが、最後に生んだショパン。「女帝」の血を継ぐ良血馬は、これからどんな活躍を見せてくれるのか。まずは、間近に迫ったデビュー戦の走りを、注意深くチェックしておきたい。

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