【競馬】女帝エアグルーヴの「忘れ形見」。ショパンの初陣迫る

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2015年版)
第29回:ショパン

 1996年のGIオークス(東京・芝2400m)優勝を果たして、同世代牝馬の頂点に立ったエアグルーヴ。翌年には、強豪牡馬を一蹴し、牝馬として17年ぶりにGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)を制覇。その年の年度代表馬にも輝いた。まさしく1990年代を代表する「女帝」だった。

 エアグルーヴは、引退してからも"母"として、その存在感を存分に示してきた。2003年、2004年とGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)を連覇したアドマイヤグルーヴや、国際GIのクイーンエリザベスC(香港・芝2000m)を制したルーラーシップといった名馬を輩出。さらに、愛娘のアドマイヤグルーヴからは、今年の二冠馬ドゥラメンテ(牡3歳)が誕生し、歴史に名を残す「女帝」の血脈は、しっかりと受け継がれている。

 今や孫の代が活躍する中、その偉大なる"母"エアグルーヴの子が今年もデビューを控えている。角居勝彦厩舎(栗東トレセン/滋賀県)所属のショパン(牡2歳/父キングカメハメハ)である。

歴史的な名牝エアグルーヴの最後の子となるショパン歴史的な名牝エアグルーヴの最後の子となるショパン エアグルーヴは、同馬を出産したのち、この世を去った。つまりショパンは、エアグルーヴの生涯最後の子にして、大事な忘れ形見となる。その分、この若駒に対する周囲の期待は相当なものだ。

 そして実際、ショパンには、それだけの期待に応えられそうな雰囲気が漂っているという。その様子を、関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。

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