【競馬】チャンピオンズC制覇へ、「超本気」な外国馬ガンピット (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

 一方、香港馬は、GIドバイゴールデンシャヒーン(メイダン・ダート1200m)に3頭が出走。そのうち、スーパージョッキー(せん7歳)とリッチタペストリー(せん7歳)が、勝ち馬から僅差の2着、3着と好走した。

 まったく別のレースで、日本馬との対戦もないだけに、多少強引な比較になってしまうかもしれないが、スーパージョッキーにしろ、リッチタペストリーにしろ、香港のAWレースで実績を残している馬たちだ。さらに、リッチタペストリーは昨年、アメリカに遠征してGIサンタアニタスプリントチャンピオンS(サンタアニタ・ダート1200m)も制覇している。

 要するに、香港のAWレースでトップレベルにある馬であれば、そのまま世界でも通用するレベルにあると見ていいのではないだろうか。とすれば、日本のダート戦で勝ち負けに加わっても不思議ではない。

 ただ、気になるのは、日本のダート適性と、香港馬にはほぼ経験がない、左回りや最後の直線の坂に対応する能力があるかどうか。ガンピットを管理するキャスパー・ファウンズ調教師は、こう語る。

「(ガンピットの)実力は疑いようがない。左回りにしても、ゴール前の坂にしても、心配はしていない。ただ、私にとっても、日本のダート適性だけは、やってみないことにはわからないんだよね」

 過去、何度となく香港馬を連れて日本の大舞台に挑み、勝ち鞍こそないものの、GIIセントウルSで2回の2着入線(2010年グリーンバーディー、2011年ラッキーナイン)を果たすなど、結果も出してきたファウンズ調教師。それでも、ダート戦に愛馬を出走させるのは初めてのこと。さすがに、その適性に関しては半信半疑だった。

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