【競馬】チャンピオンズC制覇へ、「超本気」な外国馬ガンピット

  • 土屋真光●文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

 秋のダート王決定戦、GIチャンピオンズカップ(中京・ダート1800m)が12月6日に行なわれる。

 この舞台に海外から挑む、唯一の外国馬がいる。香港調教馬のガンピット(セン5歳/父ドバウィ)である。

チャンピオンズCへ向けて、順調に調整を進めているガンピット。チャンピオンズCへ向けて、順調に調整を進めているガンピット。 これまで18戦8勝という戦績のガンピットだが、重賞の勝ち鞍だけでなく、重賞レースの出走経験さえない。それでも今回、海外からの出走馬として選定されたのは、オールウェザー(以下、AW)コースでの競走に限れば、7戦7勝という戦績を誇り、そんな底を見せていない未知の魅力があってのことだろう。

 芝のレースが大半を占める香港では、JRAにおける芝とダートほどの競走数の配分はなく、AWのレースは芝のレースの半分にも満たない。そのため、重賞レースはなく、日本のオープン特別に相当する「クラス1()」のレースにしても、年に片手の数ほども行なわれていない。
※香港のレースの格付けは、クラス5、4、3、2、1と上がって、その上が重賞レースとなる。

 つまり、AWでの高い適性と能力があっても、それを発揮できる舞台が香港にはない。そうした実情があって、ガンピット陣営も日本のダート戦への挑戦を早い段階から検討してきていた。

 ガンピットが日本遠征を意識したのは、今年の3月。香港・シャティン競馬場におけるAWのレースで5勝目を挙げたときだった。ガンピットはこのレースで、同競馬場のAW・1650m戦のコースレコードを12年ぶりに塗り替えたのだ。

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