【競馬】宝塚記念、「一強」ゴールドシップに勝てる馬はいるか

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 上半期の総決算となる"グランプリレース"、宝塚記念が6月28日に開催されます。

 ただ今年も、キズナ(牡5歳)やエピファネイア(牡5歳)など、古馬一線級の馬たちが何頭か出走を回避。明け4歳世代から、ダービー馬ワンアンドオンリー(牡4歳)と、菊花賞馬トーホウジャッカル(牡4歳)が参戦し、なんとか"グランプリ"の面目は保っていますが、ここ数年と同様、やや手薄なメンバー構成となりました。昨年末の有馬記念(12月28日/中山・芝2500m)のような、現役トップレベルの馬たちが勢ぞろいし、どんなデッドヒートを見せてくれるのかといった、ワクワクするほどの雰囲気ではありませんね。

 そうした状況にあって、危うさはあっても、中心的な存在になるのは、やはりゴールドシップ(牡6歳)でしょう。

 その能力と脚力は、間違いなく現役最強クラスです。ただし、気性面で難しさを抱えていて、今年も年明け初戦のGII、AJCC(1月25日/中山・芝2200m)では、実質GIIIレベルのメンバー相手に7着と惨敗を喫しました。それでいて、その後のGII阪神大賞典(3月22日/阪神・芝3000m)、続くGI天皇賞・春(5月3日/京都・芝3200m)と、一気にメンバーが強化される中で快勝。特に前走の天皇賞・春では、過去2年(2013年=5着、2014年=7着)とは一転して、非常に強い競馬で勝利をもぎ取りました。とにかく気分屋で、アテにしづらい馬と言えます。

 それでも、気性の難しさは、以前よりはマシになっているように思います。天皇賞・春でも、難しいところを出しながら、鞍上がうまくコンタクトして対応。レース中に"遊び"を入れながらも、最後にもう一度スイッチを入れて、ゴール前で伸びてきました。そういう意味では、鞍上の横山典弘騎手とは、かなり手が合うのだと思います。

 聞くところによると、関東所属の横山典騎手が、毎週栗東トレセン(滋賀県)に出向いて、ゴールドシップの調教を行なっているそうです。過去2年制覇している宝塚記念へ向けて、万全の準備を整えています。JRA史上初のうえ、おそらく今後も破られることがないであろう、平地同一GI3連覇という記録達成も夢ではありません。楽しみですね。

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