【競馬】強力4歳勢を一蹴か。エプソムC連覇を狙うディサイファ (2ページ目)

 一方、サトノアラジンも相当な能力の持ち主です。快勝した前走のモンゴル大統領賞(5月23日/東京・芝1800m)も強かったのですが、それ以上にすごかったのが、前々走の春興S(4月19日/中山・芝1600m)でした。上がり3ハロン(600m)で、32秒7というタイムをマーク。中山では、歴代最速タイの記録だそうです。

 4コーナーのカーブがきつくて、直線に急坂のある中山というだけでも、このタイムは驚異的と言えますが、最初にその最速記録を刻んだのは、2005年のスプリンターズS(中山・芝1200m)で2着に入ったデュランダルでした。同馬は、ただのGI馬ではなく、その強烈な末脚は"超GI級"でした。つまり、サトノアラジンの決め手も、GI級以上のものがあると言っても過言ではありません。ここでも、好勝負は必至でしょう。

 注目の4歳馬2頭、どちらもこのレースをステップにして、これから大いに飛躍する可能性を秘めています。

6歳になって本格化の時を迎えようとしているディサイファ(中央、白帽)6歳になって本格化の時を迎えようとしているディサイファ(中央、白帽) これら4歳馬たちは強力ですが、昨年の覇者ディサイファ(牡6歳)にも期待しています。そこで同馬を、このレースの「ヒモ穴馬」に取り上げたと思います。

 実は、昨年もこのレースの「ヒモ穴馬」として、ディサイファを取り上げました。そして、見事な勝利を飾ってくれました。それまでの詰めの甘さが解消され、ゴールまでしっかりと伸び切って、初の重賞制覇を遂げました。

 その後、秋は毎日王冠(4着。2014年10月12日/東京・芝1800m)、天皇賞・秋(12着。2014年11月2日/東京・芝2000m)、ジャパンC(15着。2014年11月30日/東京・芝2400m)と、古馬戦線の"王道"を歩みましたが、GIの壁に当たってしまった感じでした。

 それでも、今年に入って2戦目の中日新聞杯(3月14日/中京・芝2000m)では見事な勝利を飾って復活。明けて6歳となりましたが、もともと"遅咲き"と思っていた馬です。GIの中でもビッグレースと言える天皇賞・秋やジャパンCを経験し、今年はいよいよ本格化の時を迎えることでしょう。

 この馬のピークは、これからだと思います。現状では"上がり馬"4歳馬の陰に隠れた存在となっていますが、そんな前評判を覆(くつがえ)して、連覇を達成してもおかしくありません。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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