【競馬】「変身」サトノラーゼン。ダービーにも強気の陣営

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

「2連勝までは惜敗の連続でしたが、そこで戦ってきた相手はいずれも強敵。ダービーに駒を進めてくる馬もいます。そのようなことから、池江調教師は、『強い相手と戦う中で、サトノラーゼンも力をつけてきた。それがここに来ての連勝につながっている』と見ていますね。もともとレースセンスは高く、『最初はセンスだけで走っていた』とのこと。そこに体力面の強化が加わって、ひと皮むけたようです」

 サトノラーゼンが激闘を繰り広げてきた相手を振り返ってみると、GI皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)で3着と好走したキタサンブラック(牡3歳)や、オープンのすみれS(3月1日/阪神・芝2200m)を逃げ切ったスピリッツミノル(牡3歳)、さらにはダービートライアルのGII青葉賞(5月2日/東京・芝2400m)を制したレーヴミストラル(牡3歳)らの名前がある。そんな骨のある馬たちと戦い続けてきたことで、この馬自身も成長していったのだろう。

 もちろん、本番のダービーでは、より強力な難敵が待ち受ける。しかし陣営は、「十分にチャンスはある」と見ているようだ。先述のトラックマンが続ける。

「陣営は、『とにかくサトノラーゼンは、レースセンスがいい。舞台となる東京競馬場も、2400mという距離も、すでに経験済み。不安はない』とのこと。クセもなく、乗りやすいようで、先行してインコースをうまく立ち回れば、『上位進出も望める』と踏んでいるみたいです。また、『道悪は苦手なので、パンパンの良馬場になってほしい』と言っている様子からも、本気で上位を狙っているように見えましたね」

 3年前、2012年の日本ダービーでも、池江厩舎の管理馬トーセンホマレボシが人気薄で3着に好走した。同馬も先行策を武器に、500万下、京都新聞杯と連勝して本番に挑んだ。今年、サトノラーゼンがその再現を果たしてもおかしくない。強敵と戦う中で培った力を、晴れの舞台で爆発させることができるのか、必見だ。

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