【競馬】大混戦の高松宮記念。有力馬の取捨は? (2ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu

 香港スプリントでは、今回も出走するストレイトガール(牝6)リトルゲルダ(牝6)らを相手に積極的な逃げの手に出て一蹴した。スプリント戦としてはスローな流れが大きく味方した点は否めないが、それ以上にこの馬の場合は、自身のリズムで走れたことが大きい。

 香港スプリントの前哨戦であるジョッキークラブスプリント(GII、シャティン・芝1200m)ではしんがり負けを喫しているが、それは再三にわたって前に入られる形からひるんでしまい、ゴール前は無理をせずに流すようにしたことによるもの。決して、一介の逃げ馬ではなく、好位で流れに乗ることも、後方一気で突き抜ける脚もある。前が速くなりそうな今回は当然無理に先手を取ることは考えられず、懸念点を探すとすれば、揉まれたり、外から出足の速い馬にカットされるような枠順になってしまうことだろう。

 最後の見どころは、十指にあまる有力馬の取捨を検討する中で、展開を占うだけに留(とど)まらない個性派逃げ馬2頭による先行争いだ。アンバルブラウベン(牝6)は昨年秋のオープン特別での勝利を皮切りに一気にブレイク。京阪杯、シルクロードステークスと京都芝1200mのGIIIを立て続けに勝利している。一方のハクサンムーン(牡6)は一昨年のこのレースの2着馬で、前走のGIIIオーシャンステークス(中山・芝1200m)で、久々にこの馬らしいスピードを発揮して2着と、復調気配をうかがわせている。この2頭の先行争いを制したほうが勝利に近づくのか、それとも先行2頭の共倒れとなるのか。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る