【競馬】エリザベス女王杯、歴史からひも解く「穴馬5頭」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 だが迎えた本番、リトルアマポーラ(4番人気)とフサイチパンドラ(7番人気)は、その前評判を覆(くつがえ)して頂点に立った。フサイチパンドラについては、1着でゴールしたカワカミプリンセスが12着降着(進路妨害)となった「運」もあったとはいえ、同世代相手に完敗していた3歳馬が、古馬相手の舞台で"復活"を果たしたことは間違いない。

エリザベス女王杯での巻き返しが期待されるレッドリヴェール。エリザベス女王杯での巻き返しが期待されるレッドリヴェール。 さて今年、クラシック制覇を果たせず、秋華賞でも敗れた"期待馬"が、古馬との対戦で巻き返す――そんな仮定に当てはまる存在はいるのか。一頭、ぴったりな馬がいる。レッドリヴェール(牝3歳/父ステイゴールド)だ。

 同馬は、昨年のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(2013年12月8日/阪神・芝1600m)で、のちに凱旋門賞に出走したハープスター(牝3歳/父ディープインパクト)を下して優勝。今春のクラシックには手が届かなかったものの、桜花賞(4月13日/阪神・芝1600m)で2着と好走し、日本ダービー(12着。6月1日/東京・芝2400m)に駒を進めた実力馬だ。この秋は、ローズS(9月21日/阪神・芝1800m)と秋華賞で、ともに6着(ローズS=1番人気、秋華賞=2番人気)と人気を裏切っているが、過去の例から、ここで巻き返しても不思議はない。

 まして「気持ちで走る」と言われるレッドリヴェール。同馬にとって、近走の成績は関係なく、闘争心にさえ火がつけば、ハープスターを退けた実力が再び覚醒するはずだ。

 また、伏兵とは言えないかもしれないが、秋華賞で1番人気ながら2着に敗れたヌーヴォレコルト(牝3歳/父ハーツクライ)も、「巻き返し」というキーワードからすれば、注目したい一頭。秋華賞の敗戦は、勝ったショウナンパンドラとのコース取りの差に過ぎない。春はGIオークス(5月25日/東京・芝2400m)を制した、世代トップクラスの力の持ち主。人気を落とすようなら、狙い目となる。

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