【競馬】初陣迫る。ディープ産駒の逸材ラヴィダフェリース (2ページ目)
ラヴィダフェリースは、7月下旬の段階で早くもゲート試験に合格した。しかしその後は、すぐにデビューしないで、一旦放牧へ。再度ノーザンファームの施設で、10月までじっくりと乗り込んだ。その調整過程について、並木氏はこう説明する。
「この馬は、サラブレッドとしてはかなりの遅生まれ(5月22日生)。そのため、ゲート試験を受けた頃もまだ体が緩かったので、当初考えていたとおり、再びノーザンファームに戻しました。そこで調教を積むうちに、少しずつ良化してきましたね。とはいえ、本当に芯が入ってくるのは、まだ先。レースを使いながら完成していくと思います」
1月からサラブレッドの出産シーズンが始まる日本において、5月22日生まれというのは、かなり遅い部類。生まれた時期によって生じる数カ月の成長ハンデは、年齢とともに少しずつ解消されていくが、まだ若い2~3歳のうちはその差が残るとされている。これらのことからも、並木氏は「ラヴィダフェリースは2歳よりは3歳、3歳よりは古馬になってから、力を見せてくれるタイプ」だという。
そうは言っても、遅生まれのハンデを克服して、早い時期から活躍する馬もいる。例えば、イスラボニータ(牡3歳/父フジキセキ)。5月21日という遅生まれながら、早々に頭角を現して、今年4月の皐月賞(4月20日/中山・芝2000m)を制覇。先日の天皇賞・秋(11月2日/東京・芝2000m)でも、3歳馬ながら3着と健闘した。また、2012年のダービー馬ディープブリランテも、5月8日と遅生まれだった。
もちろん、デビュー前の段階でこうした再現を望むのは酷な話だろう。だが、すでに調教で好タイムを出しているラヴィダフェリースなら、ある程度早いうちから活躍できるかもしれない。
気になるデビュー戦については、11月15日の2歳新馬(京都・芝1800m)が最短の候補として挙げられている様子。遅生まれの素質馬がどんな走りを見せてくれるのか、期待せずにはいられない。
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