【競馬】七夕賞は「難コース」福島巧者を狙え! (2ページ目)
今年に入ってからは、昨年ほどの勢いはなく、不本意な成績が続いていました。それでも、前走のエプソムC(6月15日/東京・芝1800m)で2着と好走。復調気配が見られ、このレースへ向けて調整されてきた感があります。58kgというトップハンデを不安視する声もありますが、圧勝した昨年よりも1kg重いだけですし、背負い慣れている斤量ですから、この馬に関しては心配はいらないでしょう。
加えて、鞍上は積極的な騎乗を身上とし、福島を得意としている柴田大知騎手。マイネルラクリマの力も十分にわかっているでしょうし、いい競馬をしてくれると思います。
強敵は、川田将雅騎手が手綱を取るラブリーデイ(牡4歳)。というのも、マイネルラクリマの前走の騎乗者が川田騎手だったからです。
福島コースを得意とするダイワファルコン。 ジョッキーというのは、一度騎乗した馬の能力はしっかりと体にインプットされます。騎乗機会が近ければ近いほど、誤差はありません。おそらく川田騎手は、マイネルラクリマが今回どんな競馬をするのか、手に取るようにわかっているのではないでしょうか。つまり、自らの騎乗馬にどう乗れば勝てるのか、かなりイメージしやすいはずです。ラブリーデイ自身も力のある馬ですし、柴田騎手とマイネルラクリマにとっては、まさに手強い相手になると思います。
さて、このレースの「ヒモ穴馬」には、マイネルラクリマと同じ上原博之厩舎に所属するダイワファルコン(牡7歳)を取り上げたいと思います。
同馬も、昨年、一昨年と福島記念(芝2000m)を連覇するなど、福島巧者です。特に、その2戦とも好タイムで勝っているように、速い時計の馬場は得意としています。
かつては、夏の福島開催の最終週に組まれ、荒れた馬場で行なわれることの多かった七夕賞ですが、今年も昨年に続いて2週目の開催。昨年同様、2分を楽に切る好タイムでの決着が予想されます(昨年の勝ちタイムは1分58秒9)。その馬場は、まさにダイワファルコン向きだと思います。
鞍上は、昨年のオールカマー(8着。2013年9月22日/中山・芝2200m)以来の騎乗となる、北村宏司騎手。福島記念の連覇は川須栄彦騎手によって果たされたものですが、もともとダイワファルコンは北村騎手のお手馬。久しぶりにめぐってきたチャンスに意気込みも十分でしょうから、期待が膨らみます。
著者プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
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