【競馬】血統馬2騎が逆襲。池江調教師が語る「ダービーこそ最大目標」 (2ページ目)
レースを終えて、指揮官である池江調教師も脱帽。素直に勝者を称えた。
「こちら(トゥザワールド)も思いどおりの競馬ができました。しかし、終わってみれば、勝ち馬の力が一枚上でしたね。こちらが伸びようとすると、向こう(イスラボニータ)がもっと伸びた。スタート後は、武豊騎手(騎乗のトーセンスターダム)がうまくイスラボニータを内に閉じ込めたと思いましたが、(イスラボニータの)2コーナーでの外への出し方が絶妙でした」
一方、トーセンスターダムは7番枠からスタート。トゥザワールドの後方、前から5、6番手の好位置につけたが、3コーナー付近で早々に鞍上の手応えが怪しくなった。池江調教師は敗因について、こう語った。
「3コーナー付近から内目の馬場がかなり悪かったので、そこから、走りが急激に別馬のようになってしまったね。もう、馬が戸惑ってしまって、まったく力を発揮できませんでした」
馬場が問題だったとはいえ、無敗馬の初黒星としては、GIの大舞台だったことを差し引いても、印象の悪いものだった。
しかし、池江調教師に悲観する様子はまったくなかった。
「2頭とも、最大目標はダービー(6月1日/東京・芝2400m)ですので。(イスラボニータに対して)トゥザワールドは距離が延びてもいい。トーセンスターダムも、もともとダービー向きと考えて、そこを大目標に置いていました。ダービーで馬場が酷(ひど)くならなければ......」
決して、皐月賞を軽視しているわけではない。そこには、適性も含めたダービーへの明確な手応えと、最大目標に向けての意欲があった。
遡(さかのぼ)れば、昨年の凱旋門賞でオルフェーヴルが2着に敗れた数日後、改めて池江調教師に話を聞く機会があった。その際、「今年の2歳(現3歳)でも、2400mぐらいの距離で期待している馬がいる」と語っていた。その中に、このトゥザワールドとトーセンスターダムも含まれていた。このことからも、「最大目標はダービー」という言葉が、皐月賞の結果を受けてのものではないことがわかる。
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