【競馬】シンザン記念で炸裂する、タガノグランパの「豪脚」
ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」
年が明けると、美浦(茨城県)も本格的に寒くなってきました。調教の準備を始める早朝4時頃は凍えるほどで、1月7日にはなんとマイナス8度を記録。この冬、一番の冷え込みでしたね。こうなってくると、馬場の維持をするのも大変です。トレーニングセンターでは、不凍液(凍結を防止する液体)だけでなく、夜通しハロー(馬場をならすトラクター)をかけたりして、馬場が凍らないように対策します。これから、こんな日が多くなっていきますね。
さて、新年2週目の開催では、東西で明け3歳馬による最初の重賞が行なわれます。シンザン記念(1月12日/京都・芝1600m)と、牝馬限定のフェアリーS(1月13日/中山・芝1600m)です。ともに、今春の牡馬・牝馬クラシックの行方を占う意味では、見逃せない一戦です。
そこで今回は、シンザン記念を取り上げます。
同レースには、過去にダイワスカーレット(2007年、2着)をはじめ、オルフェーヴル(2011年、2着)、ジェンティルドンナ(2012年、1着)など、のちの超一流馬が参戦していますが、本来、冬の寒い時期に行なわれるマイル(1600m)重賞とあって、将来を期待された素質馬が出走してくるのは稀(まれ)です。ゆえに今年も、現時点でクラシックうんぬんと言えるほどの素質馬は見当たりません。ただ、気になる馬はいます。ミッキーアイル(牡3歳)は、その一頭です。
昨年末の2歳GI朝日杯フューチュリティーS(以下、朝日杯FS)は、痛恨の除外となってしまいましたが、朝日杯FSの前日に同じ舞台で行なわれた500万下、ひいらぎ賞(12月14日/中山・芝1600m)に出走。朝日杯FSの勝ち時計(1分34秒7)を凌ぐタイム(1分34秒2)で快勝しました。
その比較から世間では、「朝日杯FSに出ていれば勝っていたのでは......」と言われています。GIともなると、道中のペースも、他馬から受けるプレッシャーも違うので、単純な時計比較だけでは判断できませんが、確かにいい競馬にはなっていたと思います。
とはいえ、未勝利を勝って即GI挑戦というのは、何かと課題も多くなりますし、負けた場合は尾を引く可能性もあります。結果的にミッキーアイルは、自己条件のレースでしっかりと勝利を上げて、徐々に実力もステップアップしています。そういう意味では、朝日杯FSを除外されたのはかえってよかったかもしれませんね。GIやクラシックなど、先々でどうなるかはわかりませんが、まずは初の重賞でどんな走りを見せてくれるのか、注目です。
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