2013.09.22

【競馬】ダービー馬ディープブリランテはこうして誕生した

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 写真提供:パカパカファーム

『パカパカファーム』成功の舞台裏
連載●第22回

パカパカファームの代表であるハリー・スウィーニィ氏は、フランスの繁殖牝馬バブルカンパニーからなる一族に早くから目をつけていた。そして2001年、念願だったこの一族の繁殖牝馬2頭を購入。さらに2004年にも、バブルカンパニーの血を引く3頭目の繁殖牝馬を導入した。それが、のちにダービー馬を輩出することになる、ラヴアンドバブルズだった――。

毎年、質の高い競走馬を輩出しているパカパカファーム。
 日本で競走馬がデビューできるのは、2歳の夏以降。母馬のお腹にいる期間を含めれば、種付けからデビューまでにおよそ3年半を要することになる。つまり、そのときの配合が正しかったかどうかわかるまでには、長い時間がかかるのだ。

 パカパカファームが2001年秋に購入した、バブルドリームとオージーカンパニー。2頭の繁殖牝馬についても、日本で種付けした子どもがデビューするのは2005年以降。スウィーニィ氏が信じた「バブルカンパニーの一族×サンデーサイレンス系種牡馬」の組み合わせの成果が出るのは、ずっと先の話だった

 しかしそれまでの間に、バブルカンパニーの血を引く一族から活躍馬が次々に表れた。2003年のGI菊花賞を制したザッツザプレンティ(父ダンスインザダーク)、2004年のGI阪神ジュベナイルフィリーズを制したショウナンパントル(父サンデーサイレンス)がそれだ。しかも、2頭の父はともにサンデーサイレンス系(※ダンスインザダークはサンデーサイレンスの仔)。スウィーニィ氏の考えが正しかったことを、他の牧場から生まれたサラブレッドたちが示したのだ。

「あの馬たちの活躍はうれしかったですね。バブルカンパニーのファミリーと、サンデーサイレンス系の相性が良いことを証明してくれましたから。当然、バブルドリームとオージーカンパニーの子どもに対する期待も高まりました。と同時に、『もっとこの一族の繁殖牝馬を増やしたい』と強く思ったのです」