【競馬】エプソムC、サクラアルディートが鞍上・横山典弘で激走の予感 (2ページ目)

 もともと馬っぷりがよく、デビュー当時から走りそうな雰囲気をかもし出していました。ただ"緩さ"というものを残しているような感じで、出世するのがやや遅れていました。それが、昨年の夏辺りからメキメキと力を付け、秋口に出走した1000万円下の習志野特別(2012年9月29日/中山・芝2000m)では、その"緩さ"を感じさせないレースぶりで勝利を飾りました。このときに、「これは、すぐに重賞でも勝ち負けするだろうな」と思いましたね。

 そして、年末のクリスマスC(12月24日/中山・芝2200)を制して、晴れてオープン入り。初の重賞レースとなったAJCC(1月20日/中山・芝2200m)こそ惜敗(4着)でしたが、続く中日新聞杯(3月9日/中京・芝2000m)では、中団から豪快に差し切る強い競馬でレコード勝ちを収めました。結果はもちろんのこと、まさに「本格化」を感じさせる内容でした。

 これまでは、右回りの中山競馬場で実績を積み重ねていますが、中日新聞杯のレースぶりを見てもわかるとおり、中京や東京のような広いコースで左回りのほうが競馬の内容がよく、サトノアポロには合っていると思います。前走は、左回りの新潟大賞典(5月5日/新潟・芝2000m)で負けていますが(4着)、敗因は最後の直線で受けた不利がすべてでしょう。内の馬の斜行の影響で、両側の馬に挟まれて完全に行く手をふさがれました。それでも、最後は4着まで押し上げてきました。そこを、高く評価したいですね。

 今回の東京競馬場で行なわれるエプソムCは、サトノアポロのポテンシャルを存分に発揮できる、最適な舞台だと思います。ここで前走の鬱憤を晴らして、秋には大きなところを狙えるような走りを見せてほしいですね。

 さて、このレースの「ヒモ穴馬」には、サクラアルディート(牡5歳)を取り上げたいと思います。高い能力を秘め、脚力も相当なものだと思うのですが、何かしら"クセ"のあるような走りを見せて、オープン入り後はなかなか勝ち切れていません。

 しかし今回の鞍上は、横山典弘騎手です。横山騎手は、こういう「クセ馬」を御(ぎょ)するのが、本当に巧みなジョッキーです。さらに、ソツのない騎乗ができる一方で、勝負を賭けて思い切った乗り方もできます。少し能力の足りない馬でも、道中できるだけロスなく運んで、いつの間にかスルスルと抜け出している、そんな競馬で勝つ姿を何度も見てきました。

 能力的には、サクラアルディートと人気馬との差はそれほど大きくないと思います。横山騎手が返し馬で"クセ"をつかめば、馬に合ったレース運びで、勝利に導く可能性も十分にありそうです。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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