【競馬】ロードカナロアに注目の安田記念。伏兵はダイワマッジョーレ (2ページ目)
3歳春のドラセナ賞(2011年4月16日/小倉・芝1200m)、葵S(2011年5月14日/京都・芝1200m)は、結果的に先行しましたが、十分にための利いた競馬で快勝。秋になって迎えた京洛S(2011年11月6日/京都・芝1200m)では、中団の外目を回って前に壁を作れませんでしたが、きっちり折り合って、最後の直線では圧巻の弾け方を見せてくれました。このレースは、まさしく陣営が教え込んだことが実になった瞬間で、ロードカナロアにとって、大きなターニングポイントだったと思います。もしデビュー当時の気性のままだったら、おそらく単なる短距離馬で終わっていたでしょうね。
その後、4歳になってからは、さらなる進化を遂げます。スプリンターズS(2012年9月30日/中山・芝1200m)を制してGI初勝利を飾ると、極めてレベルの高い海外GIの香港スプリント(2012年12月9日/香港・芝1200m)を制覇。明けて5歳になった今年も、高松宮記念を勝ってスプリント戦では無敵の存在です。が、ロードカナロアはここで止まる器ではありません。
事実、1400mの阪急杯(2月24日/阪神)を勝ったとき、マイル戦でもまったく苦にしないような走りを披露。中団で脚をためて、直線で鋭く抜け出してきました。そのレースぶりを見て、「安田記念に出ても勝負になるな」と思いました。同レースでは、安田記念と同じ斤量の58kgを背負って勝っているのも心強い限りです。
高松宮記念からの臨戦についても、問題ないでしょう。昨春改修された中京競馬場は、直線が長くなって、ハードな坂も新設されました。改修前とは異なり、スピードだけでは勝てないコースとなって、東京のマイル戦にも通じる要素が加わった感があります。今後は、高松宮記念を好走して、安田記念でも上位に顔を出す馬が、意外と増えてくるのではないかと思っています。
その先陣を切るのが、ロードカナロアです。そして、安田記念の勝ち方次第では、天皇賞・秋(東京・芝2000m)という舞台も見えてくるのではないでしょうか。
ところで、このレースの「ヒモ穴馬」には、前哨戦の京王杯SC(5月11日/東京・芝1400m)を勝ったダイワマッジョーレを指名します。
これまでは、1600m~2000mのレースを中心に使われてきたので、正直、前走の1400m戦は「短いのでは?」と思っていました。しかし、多少忙しい競馬に苦労しながらも、見事な勝ちっぷりでした。追い出してからグイグイと伸びてきて、直線の長い東京コースがいかにも合いそうなタイプです。
本番の安田記念では、距離が1ハロン(200m)延びます。前走より追走が楽になり、前走以上のパフォーマンスが期待できます。やや重のレースを快勝したように、馬場が悪くなってもこなせそうです。雨が降れば、他馬が苦にする分、逆に有利かもしれません。
唯一の気がかりは、馬体重が440kg前後と、牡馬にしては小柄なこと。もしかすると、今回初めて背負うことになる、58kgの負担重量が堪(こた)えるかもしれません。それさえクリアすれば、栄冠を手にするチャンスもあると思います。
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プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
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