【競馬】激戦の皐月賞。タマモベストプレイに一発の気配あり (2ページ目)
騎乗停止で乗れませんでしたが、もし主戦の福永祐一騎手が手綱を取っていれば、直線坂下まで我慢して、最後に一気に弾けさせるような競馬をしたのではないでしょうか。そういう意味では、福永騎手に戻る今回は、前走のようなことはないでしょう。また、弥生賞を勝っていたら、おそらく突出した人気になっていたと思われます。負けたことで、余計なプレッシャーを抱えることなく、楽にレースに臨めるのもプラス材料です。昨春のクラシックは、ワールドエースで苦渋を味わった(皐月賞2着、ダービー4着)福永騎手ですが、その経験が今年に生かされると思います。
「混戦」と言われる皐月賞ですが、終わってみれば、弥生賞で圧倒的な評価を受けた2頭で決まった、という可能性もありそうですね。
その他のトライアル組で面白い存在は、若葉S(3月16日/阪神・芝2000m)を快勝したレッドルーラーです。短期間でものすごく成長している感じがします。以前はもっさりした馬に見えましたが、仕掛けた通りの反応で、鋭い決め手を発揮していました。どちらかというと、皐月賞よりもダービーのほうが合っていると思いますが、展開さえ向けば、大いにチャンスはあるでしょう。
スプリングS(3月17日/中山・芝1800m)は、言わずと知れた昨年の最優秀2歳牡馬、ロゴタイプが勝ちました。しかし、本来これほどの実績のある馬なら、叩き台には本番と同じ舞台となる、弥生賞を選択するはず。にもかかわらず、弥生賞より1ハロン(200m)距離が短いスプリングSを選んだのは、やはり距離に少し不安があるからではないでしょうか。素晴らしいパフォーマンスを見せての勝利に、皐月賞では人気になると思いますが、決して抜けた存在だとは思いません。
同じスプリングS組ならば、興味がそそられるのは、2着のタマモベストプレイのほうです。ロゴタイプ同様、比較的短い距離を使われてきて、スプリングSをステップにして2000mの本番に向かいますが、徐々に距離を伸ばしてレースを覚えさせてきた今なら、その距離も持つと思います。何より、勝負根性があって、一発ありそうな気配を感じます。
これまでの成績は、5戦3勝。負けたレースは、スプリングSの2着と、3走前のシンザン記念3着と、ともに重賞です。決して底は見せていません。スプリングSでロゴタイプに1馬身半差屈したとはいえ、実力差はそれほど感じられませんでしたし、まだ勝負付けは済んでいないと思っています。
朝日杯FSを勝ったロゴタイプですが、同レースへの出走は抽選を突破してのものでした。逆に、そのとき抽選で除外になったのが、タマモベストプレイです。タマモベストプレイにとっては、皐月賞が当時の無念を晴らすチャンスでもあります。馬券的な妙味もあるだけに、皐月賞の「ヒモ穴馬」には、このタマモベストプレイを指名したいと思います。
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