【競馬】ダイヤモンドS、注目は川島騎手とファタモルガーナの「名コンビ」

川島騎手とのコンビで着実に進化しているファタモルガーナ。川島騎手とのコンビで着実に進化しているファタモルガーナ。ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 東京競馬場で唯一3000mを超える平地の長距離重賞、ダイヤモンドS(東京・芝3400m)が2月16日に行なわれます。

 東京・芝3400mのスタート地点は、向こう正面です。かつて、秋の天皇賞が芝3200mで行なわれていた頃、ほぼ同じ場所からスタートしていましたが、騎乗した際の率直な感想は「とにかく、長い!」でした(笑)。なにしろ、東京コースは大回りで直線も長いですからね。1周目の長い直線を終えて、そこからさらにもう一周と思ったときは、途方もない長さを感じました。中山のステイヤーズS(芝3600m)や、京都の菊花賞(芝3000m)とはまた違った感覚がありましたね。

 そうした長距離戦では、馬の血統がより重視されますが、騎手の技量、手腕の差もより顕著に表れます。よく競馬では、馬(の力が)7割、騎手(の力が)3割と言われています。しかし長距離戦では、両者の比率が五分五分と言ってもいいのではないでしょうか。それぐらい、馬をコントロールする騎手の技術によって、レースの明暗が分かれることが多いのです。

 さて、今年のダイヤモンドSですが、1番人気が予想されるのは、トップハンデ(58.5kg)でも昨年末の国際GI香港ヴァース(12月9日/香港・芝2400m)で2着と好走するなど、実績のあるジャガーメイル(牡9歳)。それまでのジャパンカップや天皇賞・秋などで戦ってきた相手からすると、今回はかなり楽なメンバー構成になりますし、鞍上も騎乗停止が明ける名手ベリー騎手で、人気になる材料はそろっています。

 とはいえ、ジャガーメイルは、2010年の天皇賞・春以来、勝ち星を挙げていないのも事実。相手が弱くなったからといって、決して勝ち切れるとは限りません。ほとんどがGIレースですが、「負け癖」がついている可能性があります。その辺は、ちょっと気になるところです。

 ジョッキーに目を向けると、内田博幸騎手が手綱をとるアドマイヤラクティ(牡5歳)が有力馬の1頭だと思います。内田騎手は、菊花賞や有馬記念を制したゴールドシップ(牡4歳)をはじめ、ムスカテール(牡5歳)やサクセスパーシュート(牡5歳)などで、最近も2400mを超えるレースで好成績を挙げています。長距離戦になっても、信頼できるジョッキーです。

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著者プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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