【競馬】NHKマイルカップ、人気馬3頭に「死角あり」
昨年のNHKマイルカップは朝日杯の覇者、グランプリボスが優勝した。 今年のNHKマイルカップ(NHKマイル)は、上位の力量が拮抗した難解なレースだ。
そんな中、おそらく一番人気になると予想されるのが、ダイワメジャー産駒のカレンブラックヒル。ここまで3戦3勝。中でも、前走のトライアルレース、ニュージーランドトロフィー(NZT)での評価が高い。
道中はずっと2、3番手の好位を追走し、直線で抜け出すや、あっという間に後続を引き離して、2着に2馬身半差の完勝。レースぶりにそつがなく、末脚も確か。本番のNHKマイルでも同じようなレースができれば、この馬が勝つ可能性は十分にある。
ただ一方で、嫌なデータもある。そのひとつが、トライアルのNZTと本番のNHKマイルとの関係だ。
以前は東京の1400mで行なわれていたNZTが、現行の中山1600mに変更されたのは、2000年。以来、昨年まで12回行なわれているが、この間、このレースの勝ち馬が本番のNHKマイルを勝ったことは一度もない。それどころか、震災のために阪神で開催された昨年を除く過去11回のうち、馬券圏内に入ったのは、2003年に2着に入ったエイシンツルギザンのただ一頭。逆に、2009年に8位入線しながら降着で18着となったサンカルロを除いても、本番でふたケタ着順に沈んだ馬が4頭もいるのだ。
NZTはNHKマイルの最も重要なトライアルでありながら、勝ち馬と本番との関係は驚くほど薄い。
「それだけ、中山のマイル戦と東京のマイル戦では求められるものが違うということで、それぐらいにNZTの結果が本番のNHKマイルではあてにならないということです」と、競馬専門紙記者も語る。
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